Ondo Financeが米国株とETFをオンチェーン化：トークン化株式の新時代

金融界は急速にアセット・トークン化へと動いており、株式、債券、ファンドなど現実世界の資産がブロックチェーン上で表現されるトレンドが進んでいます。このムーブメントをリードするプロジェクトの一つがOndo Financeであり、今回なんと100銘柄以上のアメリカ株およびETF（上場投資信託）をオンチェーン化するという大胆な一歩を踏み出しました。これにより、投資家はApple、Tesla、Nvidiaなどの有名企業にEthereumのようなプラットフォーム経由で直接ブロックチェーンベースのエクスポージャーを得ることができます。これはRWA（リアルワールドアセット）のブームにおける大きなマイルストーンであり、トークン化が伝統的なマーケットと分散型金融（DeFi）の接続方法を再構築していることを示しています。

また、このような動きはRWA分野が爆発的な成長を見せている最中で起きています。2025年上半期だけでも、トークン化された資産価値は86億ドルから230億ドル超へと急増しており、これは主にトークン化された米国債と信用市場が牽引しています。Ondo Financeはこの勢いを株式分野まで拡大し、米国資本市場をよりアクセス可能で効率的、そしてグローバルなものにすることを目指しています。OndoのCEO Nathan Allmanも、米国市場へのアクセスは「長らく制限的かつ非効率的」だったと述べており、トークン化がこの障壁を打ち破るとしています。

Ondo Financeとは？

Ondo Financeは、現実世界のアセット（RWA）を分散型金融（DeFi）の世界に持ち込むことに特化したブロックチェーンベースのプラットフォームです。2021年、元Goldman SachsバンカーのNathan Allmanによって設立されたOndoのミッションは、金融機関グレードの投資商品をウォール街のインサイダーだけでなく誰もが利用できるようにすることです。プロジェクトは仮想通貨の利回り運用ボールトからスタートしましたが、すぐに米国債、社債、そして今回株式などの伝統的資産のトークン化へとシフトしました。伝統金融の厳格さとブロックチェーンのスピード・オープン性を融合させることで、OndoはRWA分野をリードする名前の一つとなっています。

このエコシステムの中心は、ONDOトークンというERC-20ガバナンス・ユーティリティトークンです。Ondoのトークン化資産を購入する際にONDOを保有する必要はありませんが、このトークンはプロトコルのガバナンスやコミュニティの成長に重要な役割を果たします。Ondoは既に、米国債担保の利回り付きステーブルコインUSDYや、米国短期国債ファンドにトークン化エクスポージャーを提供するOUSG（Ondo Short-Term U.S. Government Bond Fund）などの人気商品を展開済みです。これらの商品は合計で10億ドル以上の資産を集めており、ブロックチェーンベースの金融商品の強い需要を証明しています。株式やETFへの展開によって、Ondoは従来市場とWeb3のイノベーションが融合するプラットフォームへと新たな領域に踏み出しています。

Ondoは米国株式やETFをどのようにトークン化しているのか

Ondo Financeは、ブロックチェーンのトークンを現実世界の株式と直接結びつけるシンプルな方法で株式のトークン化を実現しています。各トークン（AppleならAAPLon、TeslaならTSLAonなど）は、規制されたブローカーディーラーが保管する実際の株式やETFに1:1で裏付けられています。この仕組みで透明性と安全性、伝統市場との価格の整合性が担保されつつ、世界中の投資家がなじみある仮想通貨ツールで米国資産にアクセスできるようになります。

その仕組みは以下の通りです：

● 実物株式の裏付け： ユーザーがトークン化株式を購入すると、Ondoは（ブローカー提携先のAlpacaを通じて）伝統市場で該当株式を購入します。

● トークン発行： Ethereum上で裏付け株式に対応したトークンが発行され、それが所有権を表します。

● 分割所有： 高額株式を分割して購入できるため、参入障壁が下がります。

● 即時決済： オンチェーン取引は数秒で完了し、ウォール街の2営業日決済サイクルと比べて大幅に高速です。

● 流動性源： ミント＆償還システムにより、流動性が実物市場と連動し、トークン価格が常に連動します。

● ウォレット対応： Trust Walletなどとの連携により、ユーザーは仮想通貨資産と同じようにトークン化株式を購入・保有・取引できます。

● コンプライアンス＆制限： トークンはグローバルに提供されていますが、米国、英国、EUなどの一部地域では規制要件により提供外となっています。

Ondoは、世界中の投資家がステーブルコインや他の仮想通貨資産同様の利便性とスピードで米国株やETFにアクセスできる環境を実現し、伝統市場の信頼性とブロックチェーンの効率性を融合しています。

Ondoのトークン化株式・ETFの裏側は？

Ondo Financeは、米国株式やETFをオンチェーン化するために必要なインフラ、カストディ、流動性、アクセシビリティを提供する強力なパートナーと提携しています。

● Alpaca Markets – ブローカーレイヤーのインフラを提供し、実際の株式購入を行うことでトークン1:1の裏付けを保証します。

● Trust Wallet – Ondoのプロダクトをセルフカストディ型ウォレットに直接統合し、数百万ユーザーにトークン化株式へのシンプルなアクセスを実現します。

● BitGo – 基盤資産のインスティテューショナルレベルのカストディを担い、追加の信頼とセキュリティを提供します。

● Fireblocks – トークン化アセットを扱う機関向けに安全なウォレット・転送インフラを提供します。

● 1inch & Jupiter – DEXアグリゲーターとして機能し、深い流動性と効率的なスワップを維持します。

● Solana & BNB Chain – 複数のブロックチェーンに対応することで、Ethereum外でもトークン化資産の提供を拡大しています。

● Oasis Pro Markets – Ondoが買収したSEC登録ブローカーディーラーで、将来の米国向けプロダクトの規制面での信頼性を強化します。

これらのアライアンスがOndoのトークン化戦略の根幹を成しており、ウォール街レベルのインフラとWeb3的なアクセシビリティを合わせ持った仕組みで、伝統的な株式を大規模にブロックチェーン上に持ち込んでいます。

導入指標：Ondoの成長速度は？

Ondo Finance（ONDO）時価総額

出典：CoinMarketCap

Ondo Financeによるトークン化株式のローンチは、小口・機関投資家ともに強い勢いで迎えられました。ONDOトークンの時価総額は最近30億ドルを突破、毎日数億ドル規模の取引ボリュームによってその信頼性が高まっています。Trust Wallet、Bitget Wallet、BNB Chainとの連携により、数百万の一般ユーザーがトークン化された米国株へアクセス可能ですが、BlackRockやMastercard、Wellington Managementなど大手企業とのパートナーシップで機関導入も進んでいます。

Ondoはすでに10億ドル超の米国債をトークン化しており、ブロックチェーン金融商品の強い需要を証明しています。Ethereum、Solana、BNB Chainなど複数ブロックチェーンに対応することでカバレッジが広がり、流動性も確保。これらの指標から、OndoはRWAブームをけん引するリーダー的存在であり、今後さらなる成長余地があることがわかります。

Ondoは100ドルに到達できるか？

投資家の間で最も大きな関心事の一つは、ONDOがいつか念願の1トークン100ドルに到達できるかという点です。現在1ドル未満という価格を考えると大幅な上昇となり、Ondoの時価総額は数千億ドル規模、世界の金融大手に匹敵する水準となります。この強気論の根底には、リアルワールドアセット（RWA）トークン化分野での先行優位性、10億ドル規模の債券商品、拡大する株式エコシステムなどがあります。トークン化資産が主流となり、Ondoがこの分野のリーダーであり続ければ、ONDOトークンはガバナンスやエコシステムのユーティリティ、今後想定されるステーキングや手数料メカニズムからさらなる価値を獲得する可能性があります。

とはいえ、100ドル到達は容易なことではありません。最大供給100億枚のトークン全体を考えると、ONDOにはBitcoinやEthereumを除くほぼ全ての仮想通貨を超える時価総額が要求されます。他トークン化プラットフォームとの競合、規制ハードル、トークンのロック解除による希薄化などが上昇余地を制限する場合も。現実的な予想値としてはアナリストも2～10ドル程度の近～中期的な目標をあげており、世界的に導入が進めば中長期でのさらなる上昇余地も。現状100ドルは「ムーンショット」の域を出ないものの、Ondoの着実な成長により今後も議論は続くでしょう。

まとめ

Ondo Financeは、投資の未来が単にデジタルであるというだけでなく、オンチェーンであることを証明しています。米国株やETFをブロックチェーン上に持ち込むことで、これまで世界の投資家に閉ざされていたアメリカ市場の障壁を打ち破っています。ブローカーやカストディアン、ウォレット、機関とのパートナーシップが規模拡大に必須の信頼性・インフラを提供し、Trust Walletのようなプラットフォームとの統合でトークン化資産へのアクセスも一般ユーザーまで広がっています。

急速な導入と数十億ドル規模資産のトークン化という実績を背景に、Ondoはリアルワールドアセット・ムーブメントのリーダーとしての地位を確立しました。それ以上に、伝統的市場とDeFiの接続方法を再構築し、株式・債券・仮想通貨が一つのシームレスなエコシステムで共存する金融システムの序章をつくり出しています。Ondoは投資家に未来の一端を示すと同時に、トークン化革命がまだ始まったばかりだという事実を思い出させてくれます。

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