Internet Computer（ICP）とは？市況悪化に逆行する理由

仮想通貨市場全体が大きく下落するなかICPは目立つ上昇を記録しました。過去24時間で13.1%上昇、直近1週間では93.13%のラリーでほぼ倍増。これにより、ICPの時価総額は$3.12 billion、1日あたりの取引高も$678.4 millionへ急増しています。

市場全体の動きと異なるこの展開により、ICPへの関心が一段と高まりました。重要なテクニカル抵抗を上抜けたほか、Caffeine AIの成長やレバレッジ先物取引のアクティビティ増加などエコシステム内の進展が、足元のパフォーマンスを後押ししています。厳しい市況のなか、この上昇トレンドの持続性を見極めようと、ICPに注目が集まっています。

出典：CoinMarketCap

ICPとは？

ICPは、DFINITY Foundationが開発したブロックチェーン基盤「Internet Computer」のネイティブトークンです。アプリ、プラットフォーム、サービスを分散型のブロックチェーン基盤上で直接ホスティングすることで、従来のITインフラや中央集権型クラウドへの依存を減らし、ウェブアプリの新たなモデルを提示します。

• 分散型コンピューティング基盤：ICPは「カニスター」と呼ばれるスマートコントラクトの稼働を可能にし、スケーラブルで自律的なアプリケーションを支えます。

• フルスタックホスティング：開発者はInternet Computer上で、幅広いアプリやサービスを完全にオンチェーンで構築・ホスティングできます。

• リバースガスモデル：開発者は「サイクル」でリソースを前払いし、ICPが分散型アプリのコストを予見しやすい形にします。

ICPはユーティリティトークンとして、Internet Computerのエコシステムにおける技術面とコミュニティ主導のガバナンス双方を支えます。

ICPはどう機能するのか？

Internet Computerは、ブロックチェーン分野におけるICPの特徴を形作る独自機能を備えています。

• 高度なカニスター：ソフトウェアコードとデータの双方を保持するスマートコントラクト「カニスター」により、エンドツーエンドの分散型アプリを実現します。

• 相互運用性：しきい値暗号を用い、カニスターはBitcoinやEthereumなど他のブロックチェーンと連携可能。DeFiやクロスチェーンの統合を拡張します。

• HTTPSアウトコール：ICP上のスマートコントラクトは外部のウェブサービスへ安全なHTTPリクエストを送ることができ、実世界データへのアクセスや機能拡張を後押しします。

その他の特徴

• 分散化：Internet Computer上のアプリは中央集権的なホスティングに依存せず、検閲や改ざんへの耐性向上を目指します。

• ユーザーインターフェースのホスティング：ブロックチェーンから直接ウェブフロントエンドを配信し、完全分散型のユーザー体験を実現します。

ICPのトークノミクスとガバナンス

ICPはInternet Computerのエコシステムで中核機能を担います。

• リソース管理：開発者はICPを「サイクル」に交換し、計算資源、データ保存、帯域のコストを支払います。コスト予見性と運用効率の向上を狙うモデルです。

• ガバナンス：Network Nervous System（NNS）により、ICP保有者は提案、ネットワークのアップグレード、プロトコル変更への投票に参加できます。

• インセンティブ：ノード運用者を含むエコシステム貢献者は、ネットワークの基盤と信頼性を支える対価としてICPで報酬を得ます。

このトークンモデルは、コミュニティの参加を促しつつ、Internet Computerの技術的基盤を支える設計です。

ICPの直近の価格動向

ICPの直近の市場アクティビティが注目を集めています。数カ月にわたる下落トレンドラインを上抜け、$5.20–$5.40の抵抗範囲を突破して日中高値$6.19まで上昇後、$5.79付近で推移。一時$4.74まで下押ししたものの、上昇分の多くを維持しました。

主なテクニカル指標

• MACDヒストグラム：+0.33でプラス転換、強気モメンタムの高まりを示唆。

• RSI：7日RSIは85.2に到達し、買いアクティビティの強さを示しています。

• サポートとレジスタンス：サポートは$5.20–$5.40、レジスタンスは$6.10。下方サポートは$4.72、$4.05、$3.37。

ICPは重要な局面にあり、今後の価格はテクニカル要因とエコシステムの進展に左右されます。

直近のICP上昇の要因

直近のICPのラリーには複数の要因が寄与しています。

• テクニカルブレイクアウト：主要抵抗の上抜けで取引高とアクティビティが増加。

• Caffeine AIの進展：ICPネットワークを活用するプロジェクトが注目を集め、エコシステムへの関心を後押し。

• 先物取引の増加：レバレッジ先物の拡大が短期の価格モメンタムに影響。

これらが相まって、相場全体が軟調な局面でもICPに注目が集まっています。

ICPの価格予測

ICPの先行きは見方が分かれており、仮想通貨分野に特有の機会とリスクが共存しています。

• ICPが6.10ドルを上回って維持できれば、次の有力ターゲットは7.80ドルとの見方。

• 一方で弱気シグナルが出れば、5.40ドル、4.72ドル、4.05ドルのサポートを試す可能性。

• 市場センチメント、Internet Computerの採用動向、より広いトレンドが、ICPの価格の方向性に影響する見込みです。

投資家・トレーダーは、市場とテクニカルの両面を注視しつつポジションを検討してください。

まとめ

ICPは、革新的なスマートコントラクト、フルスタックホスティング、参加型ガバナンスを備えた、ブロックチェーン／分散型技術の有力プロジェクトです。市場全体が下落する局面での上昇は、Internet Computerエコシステムの独自性を際立たせました。採用拡大と技術の成熟に伴い、ICPはブロックチェーン基盤の主要プレイヤーとして一段と注目を��める可能性があります。参入を検討する際は、最新情報を追い、十分なリサーチを行い、市況とエコシステムの進展を踏まえて判断しましょう。

免責事項：本記事の見解は情報提供のみを目的としており、記載の商品・サービスの推奨や投資・金融・取引アドバイスを構成するものではありません。投資に関する意思決定は、事前に専門家に相談することをお勧めします。