史上最高値更新後の激しい調整、市場はまだ強気相場のリズムにあるのか｜トレーダーの視点

ジャクソンホールで開催された世界中央銀行年次総会にて、FRB議長のPowellは明確なハト派シグナルを発しました。市場は即座に反応し、ETHは一時5000ドルを突破し、史上最高値を記録しました。S&P500もそれまでの5連続下落を終え、1日で1.5%反発し、史上最高値まであと一歩となりました。

しかし、この短い熱狂はすぐに新たな懸念に覆われました。米国の「リセッション論」、PCE物価指数、Nvidiaの決算など不確定要素が次々と登場し、高値圏の市場心理は再び敏感になり、リスク選好は急速に冷え込み、相場は再び調整局面に入りました。現在、BTCは11万ドルを割り込み、ETHは1日で8%下落し4400ドルとなっています。

続いて、律動BlockBeatsはトレーダーたちの今後の市場見通しを整理し、今週の取引の方向性の参考にしていただきます。

私は、2023年1月から始まったこのブルマーケットの長期サイクルの「最後のラウンド」にいると考えています。この段階的な相場は長くは続かず、おそらく1～2か月程度でしょう。今や世界中のほぼすべてのマージナルバイヤーが参入し、暗号市場への新規資金は十分に吸収され、BTCとETHはともに史上最高値を更新しました。

以前に設定したETH/BTCの中長期目標値0.04はすでに到達しており、私にとってこれはETH取引の主なチャンスがほぼ終わったことを意味します。

これにより、私の戦略も転換します——もはや大きなポジションで積極的な攻撃型戦略は取らず、今後は「資本の蓄積」から「資本の保全」へと重心を移します。もしかしたら今後現れるかもしれない狂乱相場を逃すかもしれませんが、それは私のトレードシステムには合致しないので問題ありません。

これは私がすでに全て売却したりショートに転じたという意味ではありません。逆に、私は依然としてロングポジションを維持していますが、ポジションは大幅に減らしています。私は引き続きDATのmNAVをコア指標として注視しており、このサイクルが終わるとき、ほとんどのDATのmNAVは1を下回るでしょう。

私は、年末の相場は今よりも高くなる可能性が高いと考えています。レバレッジをかけていなければ、短期的な変動を過度に心配する必要はありません——たとえ今週さらに15%-20%下落しても、余剰資金があれば、むしろ良い買い増しのチャンスです。私はほぼ確信していますが、年末までに「マネープリント」が見られ、bitcoinは25万ドルに達し、ETHも1万ドルを突破する可能性があります。そしてETHが史上最高値を突破すれば、上昇余地は完全に開かれ、1万～2万ドルも合理的なレンジだとさえ思います。

このロジックの核心は、デジタル資産トレジャリー企業が継続的に資金調達を行っていることです。彼らが購入する資産価格が新高値を更新し続ける限り、資金調達はより容易になり、資金が価格を押し上げ、ポジティブフィードバックが形成されます。これには2つの重要な変数があります——これらの企業がどれだけ資金を調達できるか、そして政府がどれだけ流動性を供給するかです。私は「bitcoin4年サイクル」にこだわるタイプではなく、この相場の長さは資本と政策の綱引きに大きく左右されると考えています。

現時点でTrump政権はまだ完全な「マネープリントモード」には入っていません。むしろ様々なアイデアを投げかけ、どれが実現可能かを試しつつ、「経済を加熱させる」というシグナルを発しています。FRB議長や理事会の人事が決まれば、例えばTrumpがPowellを交代させ自分の人を配置するなど、その時に本格的なペースが明確になり、来年中頃まで待つ必要があるでしょう。

人事配置が完了すれば、2026年中頃からTrump任期終了までが最も狂乱的な金融緩和期となるでしょう。なぜならマネープリントしなければ選挙に勝てないからです。民主党も共和党も印刷し、全員が流動性で支持者や利益団体を喜ばせる必要があります。

トレジャリー企業については、その時点で評価割れにより買収されたり、保有資産を直接清算するケースも出てくるでしょう。トッププロジェクトは受動的に資本を吸収し勝者となり、遅れた者は淘汰されます。しかしこの本当の「業界大再編」は、まだしばらく先になるかもしれません。

bitcoinとETHは本日大幅に調整し、その理由は様々です。

取引所による売り浴びせ、クジラの逃亡、Nvidiaの今週の決算が予想を下回る可能性、Trumpが「中国経済を壊滅させる」カードを持っていると発言したこと、Moody'sや一部エコノミストの新レポートで米国がリセッションの瀬戸際にあるとされたこと、などが挙げられています。

他の理由は基本的に長期的かつ広範な影響を与えるものではなく、リセッション論については少し掘り下げて話す価値があります。経済シグナルが多く複雑だからです。

個人的には、伝統的なエコノミストたちはAI革命という「非伝統的」かつ経済構造を再構築しつつある決定的要因を再び見落としている可能性が高いと考えます。リセッション圧力を強調するなら、より適切な表現は「米国経済はLEI先行経済指数が示すような周期的圧力と、AI革命がもたらす構造的新動力が共存する独特な時期にある」と言えるでしょう。リセッションリスクは確かに存在し無視できませんが、AIの加速的発展こそが経済の決定要因です。現在の状況はむしろ経済構造転換期の「ギアチェンジ期間」に近く、単なる周期的リセッションではありません。

主要機関の研究によれば、悲観的な予測でも、生成AIは今後1～3年で「大規模な労働生産性の繁栄」を引き起こし、世界GDPを数兆ドル押し上げる可能性があります。AIへの巨額投資が、数々の警告シグナルにもかかわらず経済のハードデータが依然として強靭である理由を説明しています。同様に、米国株の暴落論もAI要因をほとんど考慮していません。

結論としては：成長の悩みはある、ブルマーケット中の調整もある、リセッションはない、ベアマーケットはまだ来ていない、ブルはまだ健在！

私のベアマーケットの定義は、市場の主要参加者が将来に対して完全に自信を失うことです。これは大口保有者の行動からも読み取れます。

もし刻舟求剣的に見るなら、2021年11月、市場の大口保有者（100～10万BTC保有）は頻繁かつ継続的に利益確定を行い、その規模は20億ドル以上に達しました。しかし現在、BTCが12万ドルの史上最高値を記録しても、大口保有者の最大利益確定規模は10億ドルにも達していません。21年の第2のピーク時とは全く異なります。

チップ構造では、2021年に価格が65,000ドルに達した際、多くの安価なチップは6,000～10,000ドルのレンジに集中しており、莫大な含み益があったため、価格が下落しても売却して利益を得ることができました。

一方、2025年には多くのチップが90,000～110,000ドルおよび113,000～118,000ドルのレンジに集中しており、コストレンジを割り込むと、これらのチップは利益が全くなく、巨額の損失を被ることになります。これらのチップの保有者にはETFを通じて購入した機関やウォール街の資本も含まれます。

したがって、K線テクニカル上のトップダイバージェンスや高値デッドクロスが、必ずしも21年のようなダブルトップ後の長期ベアマーケットをもたらすとは限りません。チップ構造、クジラの行動、マクロ金融緩和などの客観的条件の変化を考慮しないのでしょうか？「段階的な弱気相場」に入ったと言うなら同意しますが、機械的に刻舟求剣するのは同意できず、不安を煽るだけです。

ただ、ブルマーケットの進捗バーはすでに80%まで進んでおり、長期投資を目標に継続的に投資してきた人はここで止めても良いでしょう。今から現物を買うのは全くコストパフォーマンスがなく、すでに十分保有している人は売却モードに切り替えるべきです。

仮に今後6か月を投資期間とした場合

プランA：現物を買い、市場のTotal capがさらに30%上昇する可能性があるが、同時に30%以上の調整リスクも負うことになる

プランB：USDT建ての裁定取引で、ドローダウン0%で20%のリターンを得ることができる

「自分のお金を管理する」大口資金プレイヤーにとっては、年間ポートフォリオをドローダウン0%で30%成長させる方が、最大20%のドローダウンで50%成長させるよりもコストパフォーマンスが高いです。

strategyやsbetのような「他人のお金を管理する」大口資金プレイヤーは逆で、損しても自分のお金ではないので気にせず、AUMを増やすことが目的なので、ドローダウンなど気にせず、価格を見ずに買い続けます。

BMNR CEOのTom Leeは、Bloombergアナリストの見解を引用し、ETHは今後数時間で底を打つと予測しています。現在の価格はオッズが非常に良く、8月18日以降の最安値4067ドルを割り込めば短期的には弱気となります。理想的には、ETHは今後12時間で4300ドル付近で底を打ち、その後前回高値5100ドルを突破し、5400ドル付近まで上昇するでしょう。