XRPニュース最新：SWIFTの信頼性 vs. XRPの約束―機関投資家の信頼をめぐる戦い

SWIFTのChief Innovation OfficerであるTom Zschachは、RippleのXRPおよび関連技術が、国際銀行機関によるクロスボーダー取引に必要な厳格な基準を満たす準備ができているかどうかについて公に疑問を呈しました。彼のLinkedInでの発言は、XRPがSWIFTの確立されたメッセージングシステムの代替となり得るかどうかについての議論を再燃させています。Zschachは、銀行業界でのXRPの広範な導入準備について懐疑的な見解を示し、法的強制力や機関の信頼性に関する懸念を強調しました。「より難しい問題は、銀行が決済の最終性を、預金でもなく、規制された通貨でもなく、バランスシートにも載っていないトークンにアウトソースすることに、果たして安心できるかどうかだ」と述べています。さらに、流動性は一つの要素だが、法的強制力はまた別の問題であり、外部トークンを決済目的で使用する際の課題を指摘しました。

Zschachは、金融サービスにおけるブロックチェーン技術のより広範な影響についても言及し、分散化に関する議論がしばしば機関のリスク管理という本質的な問題を覆い隠していると主張しました。彼はオープンブロックチェーンを「コックピットのない高速エンジン」に例え、法的枠組み、プライバシー保護、規制遵守がなければ、機関利用には不完全であると強調しました。Zschachによれば、「信頼のレイヤー」の欠如が、銀行がSWIFTに依存し続ける重要な要因であるとしています。SWIFTは協同組合として、資産を発行せず、メンバーと競争せず、いかなる機関にも経済的優位性を傾けることはありません。「Ethereumのようなブロックチェーンは確かに解決策の一部だが、市場の中立性にはガバナンス、規制、強制力も必要だ」と彼は記しています。「コードとバリデーターだけでは、10億ドル規模の紛争は解決できない。SWIFTはそれを何十年も行ってきたのだ」と述べました。

SWIFTからのコメントは、Rippleが米国証券取引委員会（SEC）との長期にわたる法的闘争の余波を乗り越えようとしている中で出されました。2023年7月、Analisa Torres判事は、取引所で販売されたXRPは証券に該当しないが、一部の機関向け販売は該当するとの判断を下しました。この混合判決によりRippleには一定の猶予が与えられましたが、トークンを巡る法的不確実性は完全には解消されませんでした。この訴訟は4年以上にわたり、2025年8月に両当事者が控訴を取り下げて終結しました。Rippleの副法務顧問であるDeborah McCrimmonは、XRPコミュニティが法的手続きで果たした役割を評価し、XRP保有者による無償のリサーチが弁護戦略にとって非常に貴重だったと述べました。

SEC訴訟が解決したにもかかわらず、XRPの機関導入には依然として課題が残っています。Zschachの発言は、多くの銀行がXRPのような外部資産に頼るよりも、自ら発行し信頼する金融商品で取引を決済することを好む可能性が高いという、より広範な懸念を浮き彫りにしています。彼は、トークン化された預金や規制されたステーブルコインが普及すれば、銀行が外部トークンを利用する動機はほとんどなくなるだろうと示唆しました。「銀行は、すでに自ら発行し信頼している商品で決済できる場合、XRPのような外部資産に『通行料』を支払う理由はほとんどないだろう」とZschachは述べています。この見解は、Rippleが伝統的な金融機関に新たな決済メカニズムの導入を説得する難しさを浮き彫りにしています。

SWIFTもまた、クロスボーダー決済の近代化の一環として、ブロックチェーンベースの技術を模索しています。2025年8月、同組織はRippleのXRP LedgerおよびHedera Hashgraphを用いたトライアルを開始し、従来の銀行システムとの互換性を評価しました。これらのトライアルの中心には、2025年11月に金融機関に義務付けられる新たなグローバルメッセージング標準であるISO 20022があります。これらのテストは、ブロックチェーンを既存の金融インフラに統合しようとする業界全体の動きを反映していますが、この文脈でXRPが最終的に成功するかどうかは依然として不透明です。

Rippleは、XRP Ledgerを金融機関向けのコスト効率が高く効率的な決済レイヤーとして引き続き推進しており、高速な取引スピード、低コスト、組み込みのコンプライアンスツールを強調しています。しかし、Zschachの発言が示すように、機関導入には技術的なパフォーマンスだけでなく、多くの伝統的金融機関がまだ受け入れる準備ができていない信頼性や規制面での整合性が必要です。XRPが機関市場で十分な支持を得られるかどうかは依然として不明ですが、RippleとSWIFTの継続的な対話は、業界がこの技術を完全に否定しているわけではないことを示しています。