米国の雇用統計は利下げ期待を強め、スポット金は初めて3,600ドルを突破した。

最新の米国非農業部門雇用統計は、2週間後の連邦準備制度理事会（FRB）次回会合での利下げを確定させる可能性が高い。金価格は上昇を続け、スポット金は1オンスあたり3,600ドルを超えた。米国労働省が金曜日に発表したデータによると、8月の新規雇用者数は2万2,000人で、エコノミスト予想の7万5,000人を下回った。コメルツ銀行リサーチ・インスティテュートのアナリスト、バーバラ・ランブレヒト氏は、「金価格はついに数ヶ月にわたる取引レンジの上限を突破した」と述べた。FRBの独立性に対する懸念と、高まる地政学的リスクに伴う安全資産への需要も、この上昇を後押ししている。2024年に27%上昇した後、金は今年に入ってから37%以上急騰しており、その主な要因はドル安、中央銀行による金購入、金融緩和政策、そして地政学的・経済的不確実性の高まりである。独立系金属トレーダーのタイ・ウォン氏は、「強気派は雇用の明らかな弱さが複数回の利下げにつながることを注視しており、金は新たな高値に達している。短期的にも中期的にも、労働市場への懸念はインフレ懸念を上回っており、金の見通しは間違いなく強気だ。しかし、大きな市場の混乱がない限り、4,000ドルは依然として遠い目標だと考えている」と述べた。