世界最大のアートオークションハウスがNFT部門を閉鎖

Christie’sは世界最大の美術品オークションハウスであり、多くのNFTを扱ってきたデジタルアート部門を閉鎖します。同社は2021年に6,900万ドルのNFTオークションを開催し、この分野の名声を高めるきっかけとなりました。

理論的には、同社は「21st Century Art」カテゴリー内でNFTの販売を続ける可能性がありますが、その可能性は低いようです。

アート界がNFTを見限る

NFT分野は2022年に世界を席巻しましたが、Web3全体はすでに次の段階へと進んでいます。今年初めに一時的な復活が見られ、今もユースケースの模索は続いていますが、それはアートとしての利用とは関係ありません。Christie’sは世界最大の美術品オークションハウスとして、すべてのNFTサービスを閉鎖します：

「Christie’sはデジタルアート販売の戦略的な再編成を決定しました。同社は今後も20世紀および21世紀アートの大きなカテゴリー内でデジタルアートを販売し続けます」と同機関は声明で述べています。

これは一見小さな出来事に思えるかもしれませんが、このオークションハウスはNFTの歴史において非常に重要な存在です。2021年、Christie’sはNFTコレクションを6,900万ドルで販売し、歴史を作りました。

この出来事が技術の名声を高め、2022年の盛り上がりを後押ししました。Christie’sは自信の表れとしてオンチェーンオークションプラットフォームも立ち上げました。

なぜその自信が今失われたのか、理解しにくいかもしれません。客観的に見て、NFTのパフォーマンスは2023年や2024年と比べて大きく悪化しているわけではありません。例えば、主要なNFTコレクションの取引量は過去24時間でほぼ90%増加しています。分野の直近のピークは2024年より小さいものの、著しい下落ではありません。

NFT Market Caps. Source: CoinGecko

取引量や時価総額だけではない

しかし残念ながら、こうした統計はNFTがアート界で占める地位とは無関係です。数年前、真剣なアーティストたちはNFTをデジタルアートの重要な未来として歓迎し、有名なクリエイターたちも何度も自身のコレクションを発表してきました。

しかし2025年には、このユースケースは明らかに支持を失っています。簡単に言えば、アート界はすでに次の段階へと進んでいます。

このような決定は、市場における重要な「無形資産」であり、投資家は軽視すべきではありません。もしChristie’sのような主要機関がNFTを正当なアートと見なさなければ、NFTはここまで盛り上がったでしょうか？同じ組織がNFTへの信頼を失った今、誰がその命脈を保つのでしょうか？

この動きは、炭鉱のカナリアのような役割を果たすかもしれません。NFT分野はまだ終わってはいませんが、最も古い友人たちが離れつつあります。今後もしばらくは存続するかもしれませんが、再び脚光を浴びることは難しそうです。