暗号資産市場のラリー、FOMCテストに直面：今週も勢いは続くのか？

アジア太平洋モーニングブリーフへようこそ。これは、地域市場と世界的なセンチメントを形作る一晩の暗号資産動向をまとめた必須のダイジェストです。月曜日版は先週のまとめと今週の展望をPaul Kimが提供します。緑茶を手に、このスペースをチェックしてください。

先週、暗号資産市場はついに大きな勢いを見せました。日曜日のUTC午後4時時点で、Bitcoinの価格は4.78%上昇しました。アルトコインはさらに高騰し、ETHは7.72%、SOLは22.65%も急騰しました。

利下げ期待の高まりがラリーを牽引

最近の暗号資産や他のリスク資産の急騰の主な要因は、米国の利下げへの期待が高まっていることです。この期待は、9月5日に8月の米国非農業部門雇用者数（NFP）の数字が発表された後、さらに強まりました。

このレポートを受けて、市場は2025年末までに0.75ポイント、翌年9月までに1.5ポイントの利下げを織り込みました。

しかし、連邦準備制度理事会（FRB）は、消費者インフレ率が依然として高止まりしており、目標を大きく上回る約3%で推移しているため、単独で利下げに踏み切ることをためらっています。

市場の最近の急騰は、主に好調なインフレデータによって引き起こされました。水曜日には、8月の米国生産者物価指数（PPI）が前月比で0.1%低下し、予想されていた0.3%の上昇を下回りました。これは4か月ぶりの生産者価格の下落となりました。

データを詳しく見ると、卸売・小売業における企業の利益率が低下し、特に機械や車両で顕著でした。これは、企業がコスト増加分の一部を消費者に転嫁せず、自ら吸収していることを示唆しています。専門家はこれを、インフレ圧力が予想以上に緩和している兆候と解釈しました。

米国の8月消費者物価指数（CPI）は木曜日に市場予想通りとなりました。インフレの上昇傾向は続いたものの、そのペースが加速していないことに市場は安堵しました。これを受けて、Bitcoinの価格は2週間ぶりに$115,000まで回復しました。

EthereumとSolanaが独自の勢いを見せる

Ethereumの価格は先週初めは冴えませんでしたが、火曜日にはスポットETF市場への資金流入がわずかながらプラスに転じました。

本格的な急騰は木曜日のCPIレポート後に始まり、ETHはわずか2日間で8%以上上昇しました。金曜日だけでスポットETF市場に4億ドル以上が流入し、2週間続いた低迷を反転させました。

数か月間$210の壁を突破できなかったSolanaは、8日連続で上昇しました。この強い勢いは先物市場と現物市場の両方で顕著でした。

CPIデータ発表前から先物の未決済建玉が81億ドルを超えていたことは、この勢いの強さを裏付けています。このラリーはSolanaエコシステムも活性化させ、DeFi利用の増加とともにTVL（Total Value Locked）は130億ドルを突破しました。

今週の注目：パウエル議長の発言がカギ

週末の力強いラリーの後、Bitcoinはやや反落し、$115,000の水準で調整局面に入りました。他の主要コインであるETH、SOL、AVAXも小幅な価格調整を経験しています。

今週最も重要なイベントは、水曜日UTC午後6時に発表される連邦公開市場委員会（FOMC）会合の結果です。0.25ポイントの利下げはほぼ確実と見られていますが、カギとなるのはFRBパウエル議長の記者会見です。今後の利下げに前向きな姿勢を示せば、Bitcoinはさらなる上昇が期待できます。

その他の重要な経済指標としては、火曜日に発表される米国小売売上高があります。この数字が低すぎる場合、景気減速への懸念が高まり、リスク資産に悪影響を及ぼす可能性があります。投資家の皆さんにとって実り多い一週間となることを願っています。