米国のトランプ大統領が支援する仮想通貨プロジェクト「ワールド・リバティ・フィナンシャル（WLFI）」は、価格低迷を受け、供給削減とトークン価値向上を目的とするガバナンス提案を可決した。
トランプ家が支援するこのプロジェクトは木曜日、プロジェクトのトレジャリーに蓄積される流動性手数料の100%をWLFIトークンの買い戻しとバーンに充てる提案を承認した。バーンとは、トークンを市場から恒久的に消滅させる仕組みだ。
ワールド・リバティ・フィナンシャルの データ によると、この提案は99.8%の賛成で可決され、反対票はわずか0.06%にとどまった。この施策は、同プロジェクトのトークン買い戻し戦略の「基盤」と位置付けられている。
提案文書には「このプログラムは、WLFIの長期的成長にコミットしていない参加者が保有するトークンを循環供給から除外し、長期保有者にとって相対的な比重を高める」と記されている。
今後、WLFIはイーサリアム、BNBチェーン、ソラナ上の流動性ポジションを回収し、それを利用して市場でWLFIを買い戻す。購入されたトークンはバーンアドレスに送られ、恒久的に消滅する。
ただし、プラットフォームが生み出す手数料の総額は示されておらず、買い戻しによる市場への影響度は依然として不透明だ。
WLFIトークンは9月1日に正式ローンチしたが、最初の3日間で価格が40%下落し、大口投資家（クジラ）が数百万ドル規模の 損失を被った 。9月3日には4700万枚のトークンを バーンしたものの 、下落を止めることはできなかった。
現在も価格はローンチ以降28%下落し、執筆時点では0.2223ドルで 取引されている 。
追加収益源の模索
WLFIは今後、プロトコル収益の追加源を探り、買い戻しとバーンの規模拡大を目指すとしている。コインテレグラフはWLFIに追加収益源や初回買い戻し規模の詳細を問い合わせたが、記事公開時点で回答は得られていない。
元キックボクシング王者で物議を醸すインフルエンサーのアンドリュー・テイト氏もWLFIで 損失を出した 投資家の1人だ。テイト氏は分散型取引所ハイパーリキッドでのWLFIロングポジションで6万7000ドルの損失を計上し、アカウント全体の累積損失は70万ドルに迫ったと 報じられている 。
一方で、この仮想通貨事業はトランプ家に利益をもたらしている。アメリカン・ビットコイン（ABTC）というマイニング企業の上場とWLFIプラットフォームの収益により、トランプ家の総資産は9月7日にかけての1週間で13億ドル増加したと 報じられている 。
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