主なポイント：

  • XRPは事前資金調達を不要にし、国際送金のスピードを向上させることで、新興市場で有用な存在となっています。

  • ロイヤリティおよび旅行プログラムがXRPを日常生活に取り入れ、投資資産から実用的な決済手段へと変化させています。

  • SBIやSantanderのような機関がXRP準備金を保有し、決済用途を模索することで、XRPの信頼性が高まっています。

  • SECとの訴訟が解決し、グローバルな明確性が高まる中、XRPは法的な確実性とネットワークの広がりを得て、採用拡大の基盤が整いました。

XRP（XRP）は、XRP Ledger（XRPL）のネイティブデジタル資産として、投機的な利益や損失の観点で語られることが多いですが、XRPの重要性は、実世界でのユースケース、機関のサポート、規制の明確性を考慮すると、より深いものとなります。

ここでは、XRPが市場価格以上に重要である理由を説明する5つの要素を紹介します。

1. 国際送金とリミッタンスの効率化

国際決済は、XRPの最も強力な価値推進要因の一つです。XRPはブリッジ通貨として機能し、事前資金調達を不要にし、決済時間を短縮し、コストを削減します。

例：

  • SBI Remit（日本）は、XRPを使ってフィリピン、ベトナム、インドネシアへの即時送金を実現しています。これは、母国に送金する移民労働者にとって大きなメリットです。

  • Tranglo（東南アジア）はRippleと提携し、マレーシア、フィリピン、バングラデシュ間のリミッタンス回廊でXRPを活用しています。

  • Pyypl（中東・アフリカ）は、アフリカとアジア間の送金にXRPを統合し、銀行口座を持たない人々をターゲットにしています。

  • RippleとBanco Rendimento（ブラジル）の提携により、企業や個人がXRPを決済ブリッジとしてグローバルに資金移動できるようになりました。

SWIFTと比較すると、数日かかり高額な手数料が発生するのに対し、XRPはほぼ即時の決済が可能で、リミッタンスが不可欠な新興市場で魅力的です。

2. ロイヤリティおよび旅行プログラムへの統合

XRPは金融機関以外でも、特にロイヤリティ、旅行、消費者サービス分野での利用が増えています。これにより、数百万人のユーザーにとって日常的な実用性が構築されています。

例：

  • Webus/Wetourは、ブロックチェーンを活用した旅行バウチャー、ロイヤリティポイント、決済インフラを支えるため、3億ドル相当のXRPトレジャリーを設立しました。6,000万以上のロイヤリティ会員が、空港送迎、プレミアムライド、旅行体験など海外サービスでXRPを利用できるようになります。

SBI VC Trade（日本）は、顧客がロイヤリティキャンペーンを通じてXRP報酬を獲得できるようにし、取引以外の用途を拡大しています。

なぜXRPが重要なのか：価格を超えてその価値を左右する5つの主要要因 image 0

ロイヤリティプログラムがXRPを採用することで、XRPは投資資産から、ポイント交換や旅行決済など日常生活で利用される存在へと変化します。

ご存知でしたか？ XRP TipBot（オランダ、現在は終了）は、かつてユーザーがソーシャルプラットフォーム上でXRPをチップとして送ることを可能にし、ロイヤリティ型エコシステムにおけるマイクロリワードの可能性を示しました。

3. 機関による採用とトレジャリー活用

XRPを本格的な運用・トレジャリー資産として扱う機関が増えることで、信頼性と需要が高まり、長期的な安定性への信頼が示されています。

XRPを流動性管理、決済、国際送金に活用することで、投機を超えた実用性が証明され、機関グレードのデジタル資産としての役割が強化されています。

例：

  • SBI HoldingsはRippleに投資するだけでなく、傘下のSBI RemitやSBI VC TradeでXRPを統合し、多額のXRP準備金を保有しています。

  • Santander（スペイン）はRippleNetをテストし、One Pay FXプラットフォームを通じてXRPベースの国際決済を模索しました。

  • Bank of AmericaはRippleのパートナーと報じられ、国際送金効率化のためXRP決済を検討しています。

  • 旅行プラットフォームWeBusは、ロイヤリティおよび決済運用を支えるため、機関投資家が管理する大規模なXRP準備金を確保しています。

企業がXRPをバランスシートや決済システムに統合することで、トレーダー以外からの実需が生まれ、信頼の証となります。

4. 技術的特徴とレジャーのアップグレード

XRPLは、スピード、スケーラビリティ、イノベーションを提供し、国際送金やステーブルコイン発行、トークン化資産、さらには分散型金融（DeFi）統合など、さまざまなユースケースを引き寄せ続けています。

低手数料かつエコフレンドリーなコンセンサスモデルにより、実世界での採用に最も適したブロックチェーンの一つとなっています。

例：

  • 取引スピード：3～5秒で決済が完了し、Bitcoinの10分やSWIFTの2～5日と比べて圧倒的に速いです。これがリミッタンスやマイクロトランザクションのユースケースを支えています。

  • 低コスト：手数料は1セント未満で、ロイヤリティプログラムやマイクロペイメント、小規模報酬に最適です。

  • XLS-20改正：XRPL上でネイティブNFTを導入し、ロイヤリティポイント、チケット、コレクティブルを直接オンチェーンでトークン化可能にしました。

  • XLS-70 / XLS-80提案：デジタルクレデンシャルや許可制ドメイン管理を強化し、規制された金融や企業用途に不可欠です。

  • Sologenic：（XRPL上に構築）株式やETFをトークン化し、XRPL技術が決済以外の金融資産にも対応できることを示しています。

XRPLが実世界でのスケーラビリティに注力しているため、企業はXRPLを投機的なチェーンではなくインフラとして捉えています。

ご存知でしたか？ XRP LedgerはBitcoinやEthereumのようなマイニングに依存せず、世界中の150以上の独立したバリデーター（大学、金融機関、コミュニティ運営ノードを含む）による独自のコンセンサスメカニズムを採用し、わずか3～5秒で取引を確定します。

5. 規制の明確化とネットワーク効果

XRPの長期的価値は、技術や採用だけでなく、規制当局の扱いや大規模ネットワークの統合にも密接に関係しています。2025年までに、規制および市場環境は大きく変化し、XRPにさらなる明確性と勢いをもたらします。

明確な法的地位

  • 2023年7月、米国地方裁判所のAnalisa Torres判事は、XRPが取引所で販売される場合は証券ではないと判断しましたが、直接的な機関販売は証券法の対象となる可能性があります。

  • 2025年8月、Rippleと米国証券取引委員会（SEC）は5年に及ぶ法廷闘争を正式に終結させました。SECは控訴を取り下げ、Rippleは1億2,500万ドルの民事罰金を支払うことで合意。この結論により、米国市場で長らく待たれていた最終的な決着と規制の確実性がもたらされました。

地域ごとの規制整合

  • 日本：積極的な規制とSBI Holdingsの推進により、XRPは明確な法的地位を持つ数少ない暗号資産の一つであり続けています。

  • 英国およびEU：Rippleは、EUのMarkets in Crypto-Assets（MiCA）フレームワークにXRPの利用を合わせるため積極的に活動し、欧州市場でのコンプライアンスを確保しています。

ネットワーク成長の数字

  • 2025年時点で、世界中に660万以上のアクティブなXRPウォレットがあります。ブロックチェーンエクスプローラーによると、600万以上の個別XRPLアカウントが作成されています。

  • SBIグループの暗号資産取引所（SBI VC TradeおよびBITPoint Japan）は、2024年3月の約80.7万口座から2025年3月には約165万口座へと急成長しました。

  • SBI Holdings自体は、約1.6兆円（100億ドル）相当のXRPおよびRipple関連資産を保有しており、これは同社の時価総額1.2兆円を上回る規模です。

銀行、取引所、消費者プラットフォームがXRPを採用することで、ネットワーク効果が増幅し、流動性、送金回廊、日常生活でのXRP利用機会が拡大しています。

なぜこれが重要なのでしょうか？

2025年のRipple対SEC訴訟の終結により、XRPの最大の懸念材料が解消されました。アジアや欧州での規制明確化、ウォレット・口座・企業準備金の目に見える成長と相まって、XRPは投機を超えた採用を推進するための法的確実性とネットワークの広がりを手に入れました。

XRPが直面する課題

XRPは2025年に法的明確性と統合拡大を得ているものの、USDC（USDC）のようなステーブルコインと比べると、実際の利用は依然として遅れています。USDCは年間数兆ドル規模で移動しています。

同時に、ステーブルコインや中央銀行デジタル通貨（CBDC）は、広範な規制支援とグローバルな決済ネットワークを背景に競争を激化させています。このような状況下で、XRPの将来は、インフラを超えて実際の広範な利用へと採用を拡大できるかどうかにかかっています。

  • 採用と実利用のギャップ：多くの統合事例はあるものの、ユーザーの実際の活動は潜在能力よりも低いままです。ステーブルコインと比較すると、USDC（Circle発行）は膨大なオンチェーン取引量を示しています。例えば2025年には、USDCの年間取引量はオンチェーン送金で5.9兆ドルに達しています。この規模は、ステーブルコインが多くの非法定暗号資産よりもはるかに広範に（決済や送金などで）利用されていることを示しています。

  • 競争：2025年には、ステーブルコインやCBDCがXRPに対して強力な競争相手となっています。FireblocksのNetwork for Payments、CircleのArcネットワーク、Circle + FISの提携により、USDCは100カ国以上で採用が進み、CBDCは規制当局の信頼と銀行統合の容易さを武器にしています。

  • 規制：規制はXRPにとって両刃の剣です。2025年の米国訴訟終結で法的明確性は得られましたが、一部地域では依然としてXRPを通貨として認めない、あるいは制限する動きがあります。中国はほとんどの暗号資産利用を禁止しており、海外での迂回策が必要です。また、グローバルなステーブルコイン規制が厳格化し、コンプライアンス基準が上がる一方、USDCのようなライバルへの信頼も高まっています。この進展と障壁の混在により、XRPの採用ポテンシャルは市場ごとに依然として不均一です。

これらの課題を踏まえ、XRPの将来は、統合から日常利用への採用拡大と、ステーブルコインやCBDCとの競争をどう乗り越えるかにかかっています。

法的明確性が確保され、グローバルなパートナーシップが拡大する今、XRPは伝統的金融とデジタル資産をつなぐ架け橋となる可能性を持ちながら、急速に進化する決済市場で生き残れるかどうかの岐路に立っています。