RippleのCTOであるDavid Schwartzが辞任へ：XRPにとって何を意味するのか？

Rippleの長年にわたる最高技術責任者（CTO）であり、XRP Ledger（XRPL）の主要設計者の一人であるDavid Schwartzは、10年以上の勤務を経て、年末でその役職から退くことを発表しました。

彼の退任は、XRPコミュニティ全体に強い反響を呼びました。多くの人々が感謝と敬意、そして彼の残した功績への信頼を表明しています。しかし一方で、彼の退任が「XRPの失敗」を示しているのではないかという懸念も一部で上がっています。

Ripple CTOの退任、XRPの将来に疑問を投げかける

Schwartzは2011年に暗号技術者としてRippleに入社し、2018年に最高技術責任者に昇進しました。X（旧Twitter）に投稿した個人的な声明の中で、13年間の在職期間に対する感謝の意を表しました。

「今年末をもってRippleのCTOとしての日々の業務から退く時が来ました。子供や孫たちともっと時間を過ごし、これまで後回しにしてきた趣味に戻ることを本当に楽しみにしています」と投稿しました。

またSchwartzは、CTOの役職を離れてもRippleとの強い関わりを持ち続けることを明言しました。

「ただし、XRPコミュニティから離れるつもりはありません。私の姿を最後に見たと思わないでください（今後も、そしてこれからも）」とSchwartzは付け加えました。

彼はまた、同社の取締役会の一員としての席を受け入れ、名誉CTO（CTO Emeritus）の称号を保持することを明らかにしました。このニュースは暗号資産コミュニティから様々な反応を呼びました。

多くの人々がSchwartzの貢献に感謝と敬意を表し、彼を「XRPコミュニティの伝説」と称賛しました。

私が知る中で最も賢く（そしておそらく最も面白い）人物。暗号資産業界の真のOGであり、他の人には見えなかったものを見抜く信念とビジョンを持っている——あなたは伝説です。業界、Ripple、そしてXRP Ledgerのためにしてくれたすべてに感謝します。私たちは皆、永遠に感謝しています……

— Brad Garlinghouse (@bgarlinghouse) September 30, 2025

コミュニティの一部のメンバーは、これがXRPが「月を超えてさらに上昇する」兆しだと予測しました。しかし、すべての反応が肯定的だったわけではありません。

著名な暗号資産コメンテーターのCrypto Bitlordは、この発表をRippleの戦略的失敗の認めと解釈しました。Bitlordは、Schwartzの退任のタイミングが懸念をさらに高めると主張しています。最近、SwiftがConsenSysとの提携を発表し、Rippleにとって国際送金分野での競争が激化する可能性があります。

「CTOがRippleの注力分野以外でXRPの他のユースケースを『研究するため』に退任する。今や彼らは失敗を公然と認め始めている段階にある」と投稿しました。

彼はまた、Schwartzが取締役会に加わるのは新規株式公開（IPO）準備と関連している可能性があると推測し、XRPがもはや「リテールに売り浴びせられない」ためだと述べました。

「事実：Ripple labsという会社は、消費者に$XRPを売却する以外にキャッシュフローを生み出したことがない。（この事実に異論はないはずだ）。私はJoelと同じくらい長くここにいるが、正直なところホルダーにもっと期待していた。今後は競争が激化し、明確な答えもない。CTOが人生や趣味を楽しむために退任するのは、強気材料とは言えない。今はただ希望を祈るしかない」とユーザーは説明しました。

一方、Schwartzの発表を受けて、XRPの価格は過去24時間で1.54%下落しました。

XRP（XRP）価格パフォーマンス。出典： BeInCrypto Markets

しかし、この下落は市場全体の調整によるものとも考えられ、同期間に時価総額全体が0.64%減少しました。BeInCrypto Marketsのデータによると、記事執筆時点でこのアルトコインは$2.85で取引されていました。