イーサリアムファンドからの機関投資家の大量流出
イーサリアムの市場回復は、機関投資家が大幅に資金を引き揚げているため、足踏み状態にあるようです。データによると、非常に懸念すべき事態が起きています。イーサリアムを裏付けとした上場投資信託（ETF）は、月曜日だけで4億2,852万ドルもの大規模な流出を記録しました。これは8月初旬以来、1日あたりで最大の資本流出です。
BlackRockのiShares Ethereum Trustがこの流出を主導し、3億1,013万ドルの償還が発生しました。これは非常に大きな金額です。GrayscaleのEthereum TrustとFidelityのEthereum Fundもそれぞれ2,099万ドル、1,912万ドルの流出となりました。BitwiseやVanEckといった小規模なプレイヤーも緩やかな減少を見せましたが、全体像は明らかです。機関投資家の信頼が損なわれています。
この機関投資家の資金引き揚げは、イーサリアムがすでに足場を維持するのに苦戦しているタイミングで起きています。現在、イーサリアムは約3,986ドルで取引されており、多くのトレーダーが注目していた重要な4,000ドルの水準を大きく下回っています。機関投資家による売りとテクニカル面での弱さが重なり、短期的な意味のある回復には厳しい環境が続いていると考えられます。
テクニカル指標が弱気の状況を示唆
チャートを見ると、イーサリアムは難しい局面にあります。ETH/USDペアはSuper Trendインジケーターを下回って取引されており、現在このインジケーターは4,561ドルに位置し、ダイナミックなレジスタンスとなっています。現在値との差はかなり大きいです。
Super Trendインジケーターは、ボラティリティに基づいて価格の上または下にラインを引くことで機能します。資産がこのラインの上で取引されている場合、通常は強気のモメンタムを示します。しかし、現在イーサリアムは明確にこのラインを下回っており、弱気派が主導権を握っていることを示唆しています。
トレーダーは通常、この位置関係を下落圧力が続く警告として解釈します。必ずしもさらなる下落を保証するものではありませんが、回復を試みる際の難易度が高まります。市場はこの状況を変える何らかのきっかけを待っているようです。
今後の価格シナリオ
現在の弱気ムードが続けば、イーサリアムは重要な4,000ドルの水準を下抜ける可能性があります。次の大きなサポートは3,626ドル付近に見られます。この水準を維持できなければ、3,215ドル付近までさらに下落する可能性もあります。
しかし、市場は急速に転換することもあるため、この弱気見通しが無効になるほどの需要急増が起きる可能性も否定できません。その場合、イーサリアムは4,211ドル付近まで回復するかもしれません。問題は、どのような要因がそのような反転を引き起こすかという点です。
もしかすると、これは決定的な崩壊ではなく、一時的な停滞なのかもしれません。暗号資産市場全体は最近徐々に改善傾向を見せていますが、イーサリアムはやや遅れをとっているようです。スポット市場の参加者も保有量を減らしており、これが売り圧力を強めています。
市場心理と回復の見通し
この状況で私が注目するのは、センチメントがいかに急速に変化するかという点です。先週金曜日の市場全体の清算イベントは、明らかに機関投資家を動揺させ、その余波がETFの資金流出に表れています。記録的な流出は、プロの資金運用者がより慎重な姿勢を取っていることを示しています。
この機関投資家の撤退は、イーサリアムの価格動向に長期的な影響を及ぼす可能性があります。機関投資家の支援がなければ、個人投資家だけで価格を押し上げるのは難しくなるかもしれません。しかし、暗号資産市場はこれまでにも突然の反転で私たちを驚かせてきました。
注目すべき重要な水準は依然として4,000ドルです。イーサリアムがこの水準を回復し、維持できれば、最悪期は過ぎたと判断できるかもしれません。しかし現時点では、テクニカル指標と機関投資家の資金フローの両方が、今後も困難が続くことを示唆しています。トレーダーにとっては、今は忍耐が最善の戦略かもしれません。
