カナダ、米国に追随すべくステーブルコイン規制を推進

カナダがステーブルコイン規制を推進

カナダは、決済システムの近代化と米国GENIUS法にならう規制を目指し、次期予算案でステーブルコインに関する新たな規制を検討している事がわかった。

ブルームバーグは10月27日（月曜日）、協議に詳しい関係者の話として、政府当局者が数週間前から規制当局や業界関係者と協議をしていると 報道 。ステーブルコイン規制の最新情報は、早ければ2025年11月4日（火曜日）にフランソワ＝フィリップ・シャンパーニュ（François-Philippe Champagne）財務大臣が連邦予算案を発表する際に発表される可能性があるという。これは、GENIUS法の画期的な成立を受け、より多くの国が米国に追随する可能性を示唆している。

Maverix Private Equity （マベリックス・プライベート・エクイティ）の創設者であり、デジタルロビー団体「Council of Canadian Innovators（カナダ・イノベーターズ協議会）」の副議長を務めるジョン・ルフォロ（John Ruffolo）氏は、政府はカナダドル建てステーブルコインの規制に迅速に取り組むべきだと提言。同氏は、政府が迅速に行動しなければ、カナダの資本は国境を越えて南（=米国）へ流出すると警告。さらに、カナダドル建てステーブルコインが規制されなければ、カナダの貯蓄者は代わりに米ドル建てステーブルコインを預金することを選択する可能性があり、国際送金が容易になると主張した。

カナダは規制されていない米国のステーブルコインのリスクに直面

カナダにはステーブルコインに関する包括的な法的枠組みが存在しないが、規制当局は以前、特定のトークンが既存法の下で証券またはデリバティブとして認められる可能性があることを示唆している。

カナダ国内にて、米ドル建てステーブルコインで取引する毎に、米国政府債務の資金調達につながり、米国金融機関に潤いを与え、カナダの金融データを輸出している。ルフォロ氏は、米国でステーブルコインが本格的に普及すれば、カナダ経済は米国ステーブルコインへの依存度をさらに高めるだろうと警告した。

GENIUS法によりステーブルコインは主に米国短期証券に裏付けられることが義務付けられているため、海外での導入は米国債に対する新たな需要を生み出す。ベイグ氏は、ステーブルコインの価値の99%以上が現在米ドルに基づいていることを強調。カナダ銀行の元上級副総裁、キャロリン・ウィルキンス（Carolyn Wilkins）氏は最近のLinkedInの投稿で、カナダには近代的なカナダドル決済における競争力を支える法的・規制的枠組みが必要だと 主張 した。

カナダ銀行で決済、監督、監視を統括するロン・モロー（Ron Morrow）氏は、「政府は、消費者が利益を享受し、信用リスクや流動性リスクから保護されるよう、ステーブルコインやその他の仮想通貨の規制に動いています」と述べている。

米国では、トランプ大統領の就任以来、ステーブルコインの分野で急速に動き出しており、6月にはGENIUS法を可決。GENIUS法の成立以降、ステーブルコイン市場への参入に関心を示す企業が増えており、市場は拡大を続けている現在、米ドルにペッグされたステーブルコインの総額は現在3,000億ドル（約45.7兆円）を超えている。