執筆：深潮 TechFlow
今年の韓国ブロックチェーンウィークは大盛況であり、Aptosは最も注目を集めたプロジェクトの一つとなった：
一方で、米国商品先物取引委員会（CFTC）がAptos LabsのCEOであるAvery Chingをデジタル資産市場小委員会の委員に任命したことは、Aptosが米国の暗号資産規制分野で業界全体を代表し、重要な発言権を獲得したことを示している。
また、Aptosは韓国市場でも重要な進展を遂げている。韓国の大手取引所BithumbとUpbitがAptos USDTの入出金をサポートし、韓国五大グループの一つであるLotteが傘下企業を通じてAptosブロックチェーンアプリケーションの拡大を発表した。
一連のビッグニュースが続く中、私たちは韓国ブロックチェーンウィークの現場で、Aptos FoundationのシニアバイスプレジデントであるAsh Pampati氏と深い対話を行った。
「集中力」——これがこの対話で最も印象に残ったキーワードだ。
Aptosの現在のエコシステムの注力ポイントについて尋ねると、Ash氏は即座にこう答えた：
Aptosの長期戦略のコアはDeFiであり、私たちの究極の目標はグローバル取引エンジンを構築することです。しかし、他の単一分野に特化したパブリックチェーンとは異なり、AptosはDeFi、ステーブルコイン、決済、分散型ストレージを同時に駆使できる。堅牢なブロックチェーンインフラを通じて、イノベーションが自由に成長できる肥沃な土壌を築いている。
また、Aptosの今後1年間の3つの発展重点について話すと、Ash氏の回答はAptosの集中精神をさらに体現していた：
私にとって最も重要なことは一つだけ、それはアプリケーション収益の面でパブリックチェーンのTOP1になることです。エコシステムの成功の核心は、さまざまなタイプの企業や創業者が収益を生み出し、運営を維持し、ユニコーンへと成長できることにある。私たちはこのコアを中心に、あらゆる支援を提供していく。
本記事では、Ash Pampati氏のシェアを通じて、新たなサイクルと新しいパブリックチェーン競争の構図の中でのAptosのエコシステムの差別化された展開、そして「グローバル取引エンジン」というコアビジョンの下での今後の成長戦略に迫る。
4つのエコシステム軸、数十億ユーザーのオンチェーンを目指す
深潮 TechFlow：本日は深い交流の機会をいただきありがとうございます。中国語圏のユーザーの中にはAshさんの経歴をご存じない方もいるかもしれませんので、まずは自己紹介とこれまでのご経験、Aptosでの主な役割についてお聞かせください。
Ash：
皆さん、こんにちは。私はAsh Pampati、現在Aptos Foundationのシニアバイスプレジデントを務めています。
私の職務は主にAptosエコシステムの発展をサポートすることに集中しており、2つの重要なことを確実に実現することに注力しています。一つは、優れたプロジェクトがAptosネットワーク上で生き残るだけでなく、繁栄できること。もう一つは、投資家とコミュニティがこの過程で良い体験を得られること。
私のコアミッションは、これらの要素を完璧に連携させ、バランスが取れ活気あるエコシステムを構築することです。
深潮 TechFlow：過去1年を振り返って、Aptosは主にどのような変化を経験しましたか？重要なマイルストーンをいくつか共有していただけますか？
Ash：
もちろんです。AptosはMetaのLibra（後のDiem）プロジェクトに由来し、そのコア理念は数十億ユーザーを持つアプリケーションをサポートし、許可不要な形でより効率的な資金伝送チャネルを構築することにあります。InstagramやWhatsApp、その他のグローバルプラットフォームにおいても同様です。この理念と技術は今もAptosの核となっています。
過去1年間、私たちは2つの重点に集中しました。一つはオンチェーン経済の成長を促進し、企業のブロックチェーンへの関心を強化すること。Metaで培った基盤のおかげで、多くの企業や金融機関と深い信頼関係を築いており、独立運営後もこれらのパートナーシップを円滑に深化できました。もう一つは、オンチェーン経済の繁栄を常に目指してきたことです。
具体的には、いくつかのコアな進展を遂げました：
まず、Aptosの分散型取引所におけるネイティブ取引活動が継続的に増加し、現在の1日あたりの取引高は1.5億ドルを超え、ブロックチェーンTOP10にランクインしています。
次に、Aptosのステーブルコイン取引と流通規模が継続的に成長しており、7月だけでステーブルコイン取引量は約600億ドルに達しました。ステーブルコイン統合の面ではまだ若いパブリックチェーンですが、着実に成長しています。
もう一つ私が非常に重視している指標は、Aptos上で構築されたアプリケーションが実際に収益を上げ、持続可能なビジネスモデルを形成しているかどうかです。嬉しいことに、過去1か月で「アプリケーション収益」の面でも全チェーンTOP10に入ることができました。
深潮 TechFlow：Aptos上で成功裏に構築され収益を生み出しているアプリケーションについて言及されましたが、現在のAptosエコシステムの現状を説明していただけますか？特に注目すべきプロジェクトがあればご紹介ください。
Ash：
現在のAptosエコシステムは、まるで眠れる巨人が目覚めつつあるようです。私たちは独自の理念を持っています。次のユニコーンはWeb3ネイティブの創業者から生まれると信じています。機関や企業の注目も重要ですが、毎日Web3業界で生活し働く人々の導きが必要です。これがエコシステムプロジェクトを選定する際のコア基準の一つでもあります。
具体的には、Aptosエコシステムは4つの重要な軸で展開されています：
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DeFi分野
私たちはDeFiをグローバル取引エンジンの基盤と見なしています。ネイティブDEXの導入により、Aptosは流動性を集中させ、取引プラットフォーム構築で大きなブレークスルーを遂げています。例えば、2月に公式中国語コミュニティ組織Movemakerと共同でインキュベートしたHyperionは、6月にはAptosエコシステムのトップDEXとなり、7月にはTGEを完了しました。これこそが私たちが期待するエコシステム成長のパラダイムです。
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マネーマーケットとレンディング分野
私たちはAaveと協力し、同社初の非EVMチェーンバージョンを展開しました。これはAptosへの機関の信頼を示すものであり、特にChainlinkなどのエンタープライズ技術との連携において重要です。このような協力が機関資金のオンチェーン化の基盤となっています。また、XBTCやBTC Fiなどのプロダクトも顕著に成長しており、bitcoinがDeFiでより大きな役割を果たすようになっています。特にアジア市場で顕著です。
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イノベーションプロジェクトの展開
Aptos Labsがインキュベートしたネイティブ取引所Decibelには非常に期待しています。Aptosが構築する高性能ブロックチェーンは、数十億ユーザーのオンチェーン実現に不可欠です。暗号資産、伝統資産、ストリーミング、AIなど、まだWeb3領域に入っていないイノベーションにおいても、取引はコアとなる要素であり、私たちはこれらのイノベーションを支えるグローバル取引エンジンを構築しています。
Jump Cryptoと共同開発した分散型ストレージプロジェクトShelbyも同様に重要です。これは一見地味に思えるかもしれませんが、私たちはクラウドストレージにはより良いソリューションがあると確信しています。ShelbyはGCP/AWS/AzureなどのWeb2サービスよりも低コストで損失のない体験を提供し、Web3インセンティブモデルによってクリエイターとユーザーの価値交換を再構築します。
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データボトルネックの突破
データはWeb3が主流になるためのコア障壁です。Shelbyは画期的なストレージソリューションでこの課題を解決し、10億規模のユーザーアプリケーションの道を切り開きます。
Aptosエコシステムを見渡すと、自信を持って「眠れる巨人」のようだと言えます。私たちはより壮大な時代の始まりに立っており、今進めているイノベーションがWeb3発展の次の段階を牽引するでしょう。
CEOが米国暗号規制メンバーに、業界全体のマイルストーン
深潮 TechFlow：最近DATが話題ですが、多くのパブリックチェーンが関連アクションを発表しています。Aptosにも関連計画はありますか？
Ash：
もちろんあります。この分野では明確な計画があり、期待できる内容も多いです。
お伝えできるのは、私たちが進めているDATは唯一無二のものになるということです。多くのプロジェクトがDATで追随やコピーの道を選んでいますが、私たちはAptosと深く結びつき、真に差別化されたDATを構築することに集中しています。
これは重要なことです。なぜなら、株式投資家をはじめとする多くの投資家がまだ暗号トークンに参加していないことに気づいたからです。私たちのDAT計画を通じて、これらの投資家もブロックチェーンイノベーションによる成長の恩恵を分かち合えるようになります。
私たちの目標は非常に大きく、10億ユーザーのオンチェーンをビジョンに掲げて構築しています。DecibelやShelbyなどのプロジェクトとの協力開発、そしてインキュベート中のスタートアップを通じて、Aptosは大規模な採用に備えています。DAT計画はこのブループリントの重要な一環であり、ブロックチェーンの画期的なイノベーションにより広範なアクセス性を提供し、投資家とユーザーに新たな機会の扉を開きます。
深潮 TechFlow：最近、Aptos LabsのCEOであるAvery氏が米国議会で講演し、米国商品先物取引委員会（CFTC）傘下のGMACデジタル資産市場小委員会のメンバーに任命されました。これはAptosにとってどのような意味がありますか？また、どのような影響をもたらすでしょうか？
Ash：
これはAptosにとってだけでなく、ブロックチェーン業界全体にとってのマイルストーンだと考えています。
Avery氏の参加は業界全体にとって極めて重要です。彼が議会と直接接触することで、ブロックチェーンが米国の規制環境でどのように発展できるかについて貴重な指針を提供しています。CFTC傘下のGMAC小委員会メンバーに任命されたことで、ブロックチェーンが明確で堅実な発展の道を持つことをさらに後押しします。Avery氏はこの責務を非凡な献身で果たす独自の資質を持っていると信じています。
Avery氏はエンジニアであり、エレガントかつ正確な方法で技術的課題を解決することに集中しています。彼のビジョンは、グローバル経済をブロックチェーンインフラ上で動かすことです。この集中力が私たちを絶えず改善へと駆り立てており、Aptosがすでに最速のブロックチェーンの一つであっても、さらに卓越したものにしようと努力し続けています。
最終的に、Avery氏の任命はAptosにとっての勝利であるだけでなく、米国の暗号資産分野全体にとっての勝利でもあります。これはブロックチェーン技術とそのグローバル経済における役割をめぐる議論を促進するでしょう。
深潮 TechFlow：Avery氏がAptos LabsのCEOになってから、彼のリーダーシップは会社の方向性にどのような影響を与えましたか？彼の指導の下でどのようなイノベーションや変化が期待できますか？
Ash：
Avery氏は独特のリーダーシップスタイルを持っています。0から1を作るのが得意な人もいれば、スケール拡大が得意な人もいますが、Avery氏は「1から100」タイプのリーダーです。
CEOとしてのAvery氏の理念は「技術に妥協しない」ことです。次の普及の波は卓越した技術によってもたらされると私たちは信じており、それが毎日技術を磨き続ける理由です。
Avery氏はエコシステムの構築も加速させています。就任初月でエコシステム規模を10倍に拡大させ、巨大な成長の基盤を築いていると考えています。彼はエコシステムに深く関与し、起業家やビルダーと密接に協力し、このアプローチを私たちの機関レベルのDNAと組み合わせることで、Aptosが次の成長段階に進む際に独自の優位性を持つようになっています。
Aptosの長期戦略のコアはDeFi
深潮 TechFlow：ご共有いただいたように、RWA、ステーブルコイン、そしてDecibelがDeFiを再び盛り上げ、以前よりも人気を高めるとお考えですか？
Ash：
その通りだと思います。
まずステーブルコインですが、私たちは創業以来、安定性に非常に注目してきました。私たちの初志は、1ドルが数十億ユーザーを持つアプリエコシステム内で効率的かつ安全に流通することを実現することです。最近、USDT、USDC、USDeの3大主流ステーブルコインを統合し、LayerZeroを通じてPayPal USDも導入しました。EthereumやSolanaと比べて若いパブリックチェーンですが、短期間でこれほど多くのステーブルコインを統合できたのは大きな成果です。USDTだけを見ても、現在AptosはTronに次ぐUSDTの第2位のネイティブ展開チェーンとなっています。
これは何を意味するのでしょうか？ステーブルコインはより良い採用を得るために、自然と最も優れた技術スタックを選びます。私たちにとって、今はAptosの重要な時期であり、技術がWeb3で真に評価されるべき時です。現在最も重要な使命の一つは、10億ユーザーをオンチェーンに導くことです。
次に、DeFiの普及が非常に重要だと考えています。例えば、私の父やあなたの親しい友人でも使えるようにすることです。この普及は市場の動向とあまり関係ありませんが、より信頼できる方法で資金をグローバルで許可不要な経済体に流入させ、価値を生み出します。どんな状況でも、普及型DeFiこそが大規模ユーザー参入の鍵だと信じています。
次に、この仕組みを取引にどう活用するか、これがDecibelの面白い重要な理由です。DecibelはAptos上に展開された取引プラットフォームであり、単なるハイリスクなパーペチュアル取引だけでなく、収益獲得やその収益を担保に使うなど、資金をより効率的に流動させる機能を重視しています。
「DeFiは少し退屈だ」と冗談めかして言うのは、この言葉を10年も使ってきたからです。私たちはむしろ「グローバル取引エンジン」を構築したいと考えています。この言葉はあまりキャッチーではないかもしれませんが、非常に重要な意味を持っています。
深潮 TechFlow：もう一つ実際的な観察を共有します。透明性の観点から、Bybitなどの取引所からステーブルコインを引き出すたびに、Aptosチェーンの手数料が最も低く、より多くのユーザーに選ばれていることに気づきます。
Ash：
ははは、賢いユーザーは賢い方法を選びますし、毎日ますます多くのユーザーが賢くなっていくと信じています。
深潮 TechFlow：中国語圏市場にとって、コミュニティはAptosのエコシステムの注力ポイントが分かりにくいと感じることがあります。現在AptosはDeFi、Game、あるいは最近話題のRWAなど、どこに注力していますか？
Ash：
Aptosの長期戦略のコアはDeFiであり、私たちの究極の目標はグローバル取引エンジンを構築することです。最近、Aptos上で構築できるプロダクトについて、構造化金融商品、デルタニュートラル金庫、DEXからパーペチュアル取引への進化パスなどを概説した記事を発表しました。その中で、Web3流動性の統合が私たちの80%のリソースを占めており、この原則に合致するチームを厳選してサポートしています。
DeFi以外にも、資金流動分野に重点を置いています。この分野には2つの柱があります：ステーブルコインと決済システムです。私たちにとって、ステーブルコインは単なる取引ツールではなく、現実世界で大きな可能性を持っています。例えば、国際送金や小口融資など、これらは伝統的金融システムの弱点であり、私たちはこれを将来の重要な構成要素と見なし、エコシステムのサポートに注力しています。決済分野はAptosが独自の優位性を発揮する舞台であり、より優れたインフラと決済チャネルを提供できます。
同時に、Shelbyなどのプロジェクトと協力し、分散型ストレージソリューションを模索しています。これにより、エンタープライズアプリやコンシューマーアプリも完全な分散型システム上で構築できます。今後6〜12か月で、開発者がこれを基盤に分散型YouTubeやAI機械学習モデルを構築することを特に期待しています。
Aptosのユニークさは万能性にあります。他の単一分野に特化したパブリックチェーンとは異なり、DeFi、ステーブルコイン、決済、分散型ストレージを同時に駆使できます。
ユーザー体験の面では、Web3プロダクトの未来は「Web 2.5」のようになると信じています。ユーザーは自分がブロックチェーンとやり取りしていることにすら気づかないでしょう。その実現の鍵は、従来のソーシャルプラットフォームに匹敵する極上の体験を提供することです。そのためには超高速のパブリックチェーンが必要で、摩擦があってはなりません。ユーザーが1分でも遅延を感じれば、アプリを離れてしまいます。だからこそ、速度・コスト・抽象化へのこだわりが、Aptosをスタートアップにとって理想的なプラットフォームにしています。
典型的な事例がKGeNです。このプロジェクトは元々ゲーム配信プラットフォームでしたが、後にAIモデルの人力検証サービスに転換しました。Aptosブロックチェーンを利用して極めて低コストでスケール拡大を実現し、今ではWeb3分野最大の非DeFi収益プロトコルとなり、年間経常収益は4,000万ドルを突破する見込みです。
これらの成功事例は、Aptosエコシステムの独自価値を証明しています。堅牢なブロックチェーンインフラを通じて、イノベーションが自由に成長できる肥沃な土壌を築いているのです。
深潮 TechFlow：AptosはOKXと協力して新プロジェクトをインキュベートしています。このモデルは今後も続くのでしょうか？さらに多くの機関と協力して新プロジェクトを展開する予定はありますか？
Ash：
続くと思いますし、重要なのは：
ファウンデーションが「どこで、何を中心に構築すべきか」という点で十分に関与し、明確な立場を持てば、この道は必ず開けます。
外部からAptosへの大きな疑問の一つは、まさにご質問に関連しています。Aptosは何に注力しているのか？どの方向で構築すべきか？EthereumでやっていることをAptosに持ち込めるのか？
私たちは関連する見解を非常に明確に表明します。具体的には：
優先するトラックを明確にし、その中でどのユースケースが価値あるかを示し、サポートと資金提供の準備ができています。
また、これらのユースケースやAptosネットワークの成長に高いコミットメントを持つパートナーと共に推進します。彼らが投資機関であれ他のタイプのパートナーであれ関係ありません。
さらに、ボトムアップのローカル地域サポートも提供しており、ビルダーがどこにいても現地チームやメンターから支援を受け、Aptos自身やサードパーティからの資金調達チャネルも利用できます。例えば、MoveMakerとの協力は密接なパートナーシップの一例であり、香港で私たちを代表し、Web3のコアエコシステムである香港に根ざしています。
このモデルの面白いところは、Hyperion以外にも、デルタニュートラル金庫を構築するGoblin Financeや決済に特化したAllScaleなどがあります。これら3つのプロジェクトは、MoveMakerとの協力開始から約半年でインキュベートされ、いずれも大きな成長ポテンシャルを持っています。これが非常に重要なモデルだと考えており、今後さらに多く、より大きく展開していきたいです。
深潮 TechFlow：最近話題のRWAやAI分野について、Aptosはどのような計画がありますか？
Ash：
まずRWAについてですが、Aptosは現在この分野でトップ3〜4のパブリックチェーンに入っています。新しいチェーンとしては画期的であり、機関が私たちの技術やMove言語の安全性を信頼している証拠です。
ただし、現時点ではRWAがユーザー向けDeFiで実際に使われているケースがまだ不足しています。RWAという概念は非常に広く、株式、ステーブルコイン、分割可能な不動産、その他価値ある資産などを指します。各資産は分散型取引での用途が異なります。例えば、あるRWAはレンディング担保に適しており、他はパーペチュアル取引に使えます。資産の活用方法は非常に多様です。
私たちにとって次の焦点は、RWAの分散型エコシステムでの実際の活用をどう解き放ち、イノベーションを起こすかです。市場の信頼やRWA関連のTVLについてはすでに証明済みです。今後はRWAの実用シナリオの推進をリードしたいと考えています。
AIについては、主に2つのレベルで見ています。第一に、AIがアクセラレーターとなり、創業者がオンチェーンでより速く、よりスマートに構築できるようにすること。Aptos LabsではGiomiというプロジェクトに注力しています。これは開発者向けのユニークなフルスタックキットで、インフラ、RPC、インデックス、そして任意のDAppを簡単に構築・展開できるUIが内蔵されています。AIは開発ペースを加速させ、DeFiやSocialFiなどさまざまな分野でよりスマートなアプリの実現を後押ししています。
第二のレベルは、ユーザーとAI駆動データとのインタラクションです。現在、ユーザーはデータを中央集権型企業に預け、企業はそのデータをもとに集約的な応答を返しています。しかし、今後ユーザーは自分がエンジンに入力したデータをますます自分でコントロールしたいと考えるようになるでしょう。ブロックチェーンのこの分野での応用はまだ始まったばかりであり、この方向で明確なビジョンとイノベーション能力を持つチームを積極的に探し、誘致・支援しています。
深潮 TechFlow：つまり、AptosはAIのインフラを構築しており、データを活用したい、あるいはプラットフォーム上で構築したいプロジェクトが恩恵を受けられる。また、伝統的な機関や企業とも連携し、AIを各自のシステムに組み込む支援もしているということですね？
Ash：
はい、Aptosの強みはWeb2での深い基盤にあります。主要なテックハブや金融機関と緊密な関係を持っており、これが独自の優位性をもたらしています。
私たちのもとに来るビルダーは皆、私たちのネットワークの恩恵を受けられます。また、積極的にクロスボーダーな協働を促進し、伝統産業や新興Web3分野の潜在的パートナーやステークホルダーを紹介しています。私たちの目標は、開発者がWeb2とWeb3エコシステムをより簡単に接続できるようにし、プロジェクトの進展を加速させることです。
アジアコミュニティのリテラシーは非常に高く、Aptosはローカライズ融合を重視
深潮 TechFlow：今回は韓国のKBW現場で交流していますが、アジア市場をどう見ていますか？地域ごとの差別化された展開や戦略はありますか？
Ash：
アジアについて語るとき、私たちはそれを単一の存在とは見ていません。アジアは多様な地域であり、深い文化と感情を持っています。大中華圏、日本、韓国などの市場には、コミュニティのリテラシーと専門性の高さという共通点があります。私はむしろ、アジアの暗号コミュニティは知識の深さと技術レベルで西洋の多くのコミュニティより優れているとさえ思います。彼らは単なるトレンドフォロワーではなく、プロのアナリストのようにパブリックチェーンを分析し、ファンダメンタルズを評価し、プロジェクトチームを精査します。私たちはこれを非常に尊重し、深く理解しています。そのため、これらのコミュニティと協力し、フィードバックを傾聴し、迅速にプロダクトやエコシステムに反映させることに注力しています。
韓国では、UpbitやBithumbなどの大手機関と協力できて非常に嬉しく思っています。最近のUSDT関連の発表がその一例です。このような協力により、現地ユーザーにより良くリーチし、生活の中で「世界最速のドル」を直接取引に使えるようになりました。このようなローカライズされた直接的な接続は、信頼構築やAptosの価値を市場に合わせて伝える上で極めて重要です。
私たちはAptosのアジアでの存在感と投資を非常に重視しており、現地文化や市場との深い融合にもこだわっています。韓国での戦略は、現地市場で直接サポートを提供することです。コミュニティには、いつでもファウンデーションのメンバーに連絡できることを知ってほしいです。協力交渉、技術サポート、日常的なやり取りなど、常にアクセス可能で高いレスポンスを約束します。コアは現地コミュニティで信頼を築き、長期的な関係を育み、彼らがサポートされ理解されていると感じてもらうことです。
日本も今非常に注目されています。よりフレンドリーな暗号規制の変化のおかげです。これらの新政策が日本で多くの機会を生み出すと信じています。取引だけでなく、イノベーションや開発面でもです。日本の暗号分野への姿勢は大中華圏や韓国と多くの共通点があり、成長とイノベーションの余地にワクワクしています。私たちの目標は日本市場に参加するだけでなく、現地の政策環境の形成にも積極的に関与することです。米国で政策議論に参加しているのと同じように。日本の規制進化をサポートし、健全な暗号エコシステムの育成に貢献したいと考えています。
深潮 TechFlow：今朝、韓国Lotteグループとの協力も発表されましたが、詳しくご紹介いただけますか？
Ash：
Lotteとの協力は私たちにとって重要な一歩です。現地文化に深く溶け込み、人々が日常的に使うプロダクトや技術との関わり、日常体験の中でどのように価値を得ているかに注目しています。
Latteのような成熟企業と協力することで、インフラを人々がすでに信頼し利用しているプラットフォームに統合できます。これにより、現地での存在感が強化され、これらの重要なプレイヤーにコアなバックエンド技術サポートを提供できるようになります。
深潮 TechFlow：Aptosが今年日本の万博と協力したことは非常にエキサイティングなニュースでした。今回の協力の戦略的意図や現時点での成果、今後の同様の計画について教えてください。
Ash：
この協力に参加できて非常に光栄です。その背後には万博への重視、特にアジアコミュニティにおける万博の意義があります。多くの現地の人にとって、万博への参加は巡礼のようなものかもしれません。
実際、私たちの創業チームの一部、特に中国出身のメンバーは、子供の頃に列車で万博を見に行った経験を共有してくれました。それだけ万博は特別な存在であり、私たちも深く感銘を受けました。
戦略的には、この協力はブロックチェーン技術のリアルワールドでの実装を推進することが目的です。Aptosは常に、ブロックチェーンが現実世界のユースケースを支える「見えないインフラ」になると信じてきました。まだ初期段階ですが、現時点での成果は非常に励みになります。新規作成アカウントは50万件を超え、累計取引数は450万件を突破しました。これはリアルワールドでの採用の重要なシグナルであり、一般ユーザーがエコシステムに参加していることを示しています。
万博との協力は始まりに過ぎません。これをさまざまな市場での採用推進の広範な戦略の一部と位置付けています。すでに他のアジア市場で同様のエンタープライズ協力を検討しています。今後も大企業との協力を継続し、ブロックチェーン技術と現実アプリケーションの橋渡しをしていきます。将来が非常に楽しみであり、これらの取り組みが他市場でも実現・拡大することを期待しています。
アプリケーション収益面でパブリックチェーンTOP1を目指す
深潮 TechFlow：最も重要なことが3つだけできるとしたら、今後1年で何が最も重要だと思いますか？
Ash：
私にとって最も重要なのはただ一つ、アプリケーション収益面でパブリックチェーンTOP1になることです。
エコシステムの成功の核心は、さまざまなタイプの企業や創業者が収益を生み出し、運営を維持し、ユニコーンへと成長できることにあります。そのため、いくつかの重要分野に注力しています：
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Aptos上での集中型流動性：流動性の集中やDecibelのようなプロジェクトのローンチを通じて、DeFiの加速的発展を推進します。
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データ分野でのShelbyの役割発揮：Shelbyはデータボトルネック問題の解決を助け、新しいタイプのプロダクトやサービスがオンチェーンで構築できるようにします。
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ネイティブトークン発行：Aptos上で新しいタイプのトークンがネイティブ発行され、積極的に取引されることを期待しています。
これらの施策は、創業者がAptos上で持続可能かつ収益性のあるビジネスを構築する上で極めて重要です。
深潮 TechFlow：多くの人がAptosとSuiを比較しがちですが、特に競争面でどう見ていますか？AptosはSuiのような他プロジェクトとどう差別化していますか？
Ash：
私はSuiとの競争に重点を置いていません。むしろ自分たちとの競争に注目しています。
つまり、各種指標から見て、Aptosはオンチェーンのファンダメンタルズ面で大きな進歩を遂げています。TVL、日次取引量、RWA、ステーブルコイン取引量で常にトップ10に入っています。これらの指標の向上に注力しており、それが採用促進の鍵です。
プロジェクト資金調達については、私の理念はシンプルです。チームが私たちの技術が独自の方法で素晴らしいプロダクト構築をサポートできると考え、他チェーンにも拡大したい場合、私は決して妨げません。ビルダーが成長・拡大できる能力を持つべきであり、単一エコシステムに縛られるべきではありません。
AptosとSuiの最大の違いは理念にあります。私たちのCEOであるAvery氏はMetaでブロックチェーンエンジニアリングを担当し、プロダクション環境向けのブロックチェーン開発をリードしてきました。今日私たちが使っている技術はそこから直接来ており、PolygonやStarkNetなど多くのプロジェクトが同じ技術を採用しています。並列コンセンサスと並列実行での成功は、市場がエレガントで組み合わせ可能な技術を重視していることを示しており、多くの人がAptosを基盤パブリックチェーンに選ぶ理由でもあります。
深潮 TechFlow：トークン価格の重要性やAptosの長期ビジョンについてどう考えていますか？また、コミュニティやエコシステムの重要性についても何度も議論されていますが、トークン価格がこのエコシステムで果たす役割についてご意見をお聞かせください。
Ash：
トークン自体が一つのプロダクトだと考えています。Layer 1パブリックチェーンにとってトークンは極めて重要であり、地下の原油のように私たちの車に動力を与えるものです。私たちはこれを強く信じています。
次に、市場は私たちの影響力の大きさをまだ本当に理解していないと思いますが、いずれ市場はすぐに理解するでしょう。
三つ目に、私たちは長期主義を堅く信じています。今よく話題になるプロジェクトの多くは数年後には消えているかもしれませんが、私たちは残っているでしょう。
私の意見は少し「辛口」かもしれませんが、トークン価格は確かに重要ですが、最終的にはプロジェクトの背後にいるチームと彼らが何を重視しているかにかかっています。多くのプロジェクトはトークンの駆け引きだけに注力し、実際には何も構築していません。これは逆効果であり、自分自身やコミュニティを傷つけ、業界全体の発展を妨げます。
私たちは長期的な成長に集中し、持続可能なものを構築し、規制面でも合理的な進展を目指しています。私たちの目標はブロックチェーン分野の普及とイノベーションを推進することです。そして、Aptosが今後も業界の未来で重要な役割を果たし続けると自信を持っています。なぜなら、長期的なビジョンを持つチームこそが最終的に最大の勝者になると信じているからです。
