CoinSharesによると、マクロ経済の不安の中で、暗号資産ファンドは2月以来最大の週間流出を記録

BlackRock、Grayscale、Fidelityなどの運用会社が発行する暗号資産投資商品は、CoinSharesによると、金融政策の不透明感や大口の暗号資産保有者による売り圧力の中で、2月以来最大となる週次流出額を記録し、世界のETPから20億ドルが流出しました。

この流出は3週連続の償還となり、3週間の合計は32億ドルに達しました。また、デジタル資産価格の全般的な下落を受けて、運用資産総額は10月初旬の2,640億ドルのピークから1910億ドルまで減少しています。

CoinSharesのリサーチ責任者James Butterfillは、金利見通しの変化とクジラ主導の供給が「引き続きセンチメントに重しをかけている」と述べ、今月初めから続くネガティブな流れが拡大していると指摘しました。

米国が流出を主導、ドイツは逆行

地域別では、米国が全体の97%にあたる19.7億ドルの流出で圧倒的に主導しました。スイスと香港がそれぞれ3,990万ドル、1,230万ドルの流出で続きました。

一方、ドイツの投資家は逆にデジタル資産ETPに1,320万ドルを追加し、価格下落が深まる中での動きとなりました。Butterfillは、ドイツは下落局面でより機会主義的な流入パターンを示すことが多く、この傾向が今週再び現れたと述べています。

米国政府のシャットダウンはすでに終了しましたが、暗号資産市場への圧力は続いています。The Blockによると、bitcoinは6か月ぶりの安値となる95,000ドル近くまで急落し、これは5月初旬以来の水準です。この下落は、市場への新たな流動性の流入への期待にもかかわらず起こっており、より広範なマクロ経済や暗号資産固有の流動性の逆風がセンチメントの重しとなっていることを示唆しています。

BitcoinとEthereumが償還を主導

Bitcoin ETPは13.8億ドルの流出となり、3週連続の流出で、これはBTC ETP運用資産総額の約2%に相当します。

Ethereumは6.89億ドルの流出で、運用資産総額の約4%と割合的にはより大きくなっています。SolanaとXRPもそれぞれ830万ドル、1,550万ドルの流出となりました。

Butterfillは、ポジションの見直しが一方的ではなかったことも指摘しています。投資家は過去3週間でマルチアセットETPに6,900万ドルを配分し、ボラティリティの中で分散投資を好む傾向を示しました。

また、ショートbitcoin商品も純流入を記録し、トレーダーがさらなる下落に備えてヘッジを強化しました。