CZが恩赦後の罰金返還時に米国へ43億ドル再投資を示唆

恩赦直後に返金と再投資の可能性へ言及

バイナンス （Binance）の創業者であるCZこと（ジャオ・チャンポン：Zhao Changpeng）氏が、 米国司法省 （DOJ）との和解で支払った43億ドル（約6,683億円）の罰金について、返還が認められた場合は米国に再投資する考えを示した。

ドナルド・トランプ（Donald Trump）米国大統領の恩赦発令直後の発言として、仮想通貨業界と政治の双方で注目されている。

CZ氏は2023年末、マネーロンダリング対策プログラムの不備を巡り、司法省やFinCEN（金融犯罪取締ネットワーク）、 CFTC （米国商品先物取引委員会）などとの和解に応じて43億ドルの罰金支払いに受け入れ、個人としても5,000万ドル（約77.7億円）の罰金が科された。同氏はCEO（最高経営責任者）辞任後、2024年4月に懲役4カ月の判決を受け、同年9月に釈放されている。

2025年10月の大統領恩赦を受けて、ブロックチェーンアドバイザーのアンディ・リアン（Anndy Lian）氏がXで罰金返還の可能性に触れると、CZ氏は「微妙な質問」としたうえで、返金されれば「感謝の気持ちとして米国に投資する」と述べた。現時点で返金要請はしておらず、恩赦への感謝と公平性のバランスに配慮していると説明した。

主任弁護士のテレサ・グッディ・ギレン（Teresa Goody Guillen）氏は、恩赦を巡る「仮想通貨による買収」説を否定し、オンチェーン決済の透明性から不正な支払いは不可能だと強調した。

返金の実現性は低く、コミュニティでも見方が割れる

司法取引で支払われた罰金はすでに政府に移管されており、返還には議会の歳出手続きが必要となるため、法的には返金が困難とされる。恩赦も企業の司法取引をさかのぼって覆す性質は持たない。

Xでは、CZ氏の発言に対し「外交的な長期戦」「PRとして最適なタイミング」といった声が上がる一方、「43億ドルが恩赦の費用だと思っているのか」と皮肉る投稿も見られた。それでも、「返金されるなら米国への投資は理にかなう」と支持的な意見も一定数出ている。

CZ氏は別の 投稿 で、X上で自身のフォローを悪用したアカウント売買に警鐘を鳴らした。強気相場では「CZフォロー」アカウントが数千~数万USDTで取引される例があり、詐欺目的で利用されたケースも報告されている。CZ氏は「フォローは支持を意味しない」と述べ、売買されたアカウントはフォロー解除すると警告した。