モールスレッドの富のブームの背後にある、共同創業者リー・フェンの「暗号」史

モールスレッドが科創板に上場する前、李豊には暗号資産業界での秘話があった。

執筆：1912212.eth，Foresight News

12月5日、「中国のNVIDIA」と称されるモールスレッドが「国産GPU第一株」として科創板に上場し、初値は650元/株で、発行価格114.28元から468.78%急騰し、時価総額は3000億元を突破した。

この資本の熱狂の中、1ロット（500株）で26.7万元以上の純利益を得るという財産効果がA株のテクノロジーセクター市場の熱気を燃え上がらせた。ちなみに、オンラインでの当選率は約0.03635%で、約2750ロットに1ロットしか当選しない。

あまり知られていないが、モールスレッドの共同創業者であり、モール学院の院長でもある李豊は、チップ、AIなどの分野を横断する連続起業家であり、かつて暗号資産業界での論争的な事件で注目を集めたことがある。

モールスレッドの財産神話

モールスレッドの台頭は、中国がAIコンピューティングパワー分野で「ボトルネック」を突破する縮図である。2020年の設立以来、同社は8回の資金調達を完了し、累計調達額は94.98億元を超え、Sequoia China、Shenzhen Capital Group、Tencent、ByteDanceなど80社以上の機関が集まり、「市場化VC/PE＋国有資本ベンチャー＋産業CVC」という黄金の組み合わせを形成している。

そのコア製品「蘇堤」「春暁」フル機能GPUチップは、貴安AIインテリジェントコンピューティングセンターなどの国家級プロジェクトに応用され、Heertai、Weixing Intelligenceなどの産業チェーンパートナーと深い協力関係を築いている。

同社は2022～2025年の累計損失が59.39億元、粗利益率もまだプラスに転じていないが、資本市場は依然として大きな期待を寄せている。

上場初日、E Fundは帳簿上で19億元近い含み益を得て、Tencent、ByteDanceなどの初期投資家は35倍以上のリターンを得た。沛県乾曜は6200倍のリターンで一躍有名となり、モールスレッド上場の最大の勝者となった。

この財産の饗宴の背後には、中国GPU産業が「国産代替」から「グローバル競争」へと飛躍するという強い期待がある。李豊は上場式で「モールスレッドの使命は、中国がグラフィックス処理分野で独自のコア技術を持つことだ」と語った。

李豊はモールスレッドの共同創業者であるだけでなく、暗号資産業界を含む複数の分野にも関わってきた。

暗号資産業界の過去：マルガコインの荒唐と論争

李豊は清華大学卒業後、チップ、3Dエンジン、人工知能、ゲーム、スマートハードウェア、VR/AR、デジタル農業、バイオ医薬など多くの分野に関わり、複数のテクノロジー企業を設立・共同設立したと自称している。

モールスレッドでは、彼は共同創業者であるだけでなく、モール学院の院長も務めている。

成功を収める前、李豊は「マルガコイン」（MGD）プロジェクトで世論の渦中に巻き込まれたことがある。

2017年、李豊はLi Xiaolai、薛蛮子など業界関係者と共にこのプロジェクトを立ち上げ、「人類史上初のブロックチェーンに基づく現代行動芸術品」を売り文句に、クラウドファンディングで5000ETHを集めた。

プロジェクトのホワイトペーパーは荒唐無稽で、宣伝文句ではAIクラウドシステムを開発し、各トークンが自己学習能力を持つ「アルパカ」ロボットに紐づけられるとされていた。システムの余剰計算リソースによって価値が上昇するという。また、トークン配分計画ではなんと2100年まで10%をリザーブ。チームの経歴も「CEO、CTO、CFO、博士、海外帰国者、投資銀行関係者で構成」とされていたが、実際は多くが架空だった。それにもかかわらず、業界のバブルの後押しで、MGDは上場から1週間で資金調達を完了した。

しかし、プロジェクトはすぐに名称が不適切（不雅な語を含む）として当局から呼び出され、「アルパカコインMGD」に改名を余儀なくされた。

規制が厳しくなるにつれ、プロジェクトの熱も冷め、コイン価格は長期低迷した。

最終的に、この茶番劇は幕を閉じた。

1500BTCの借入未返済、現価値1.35億ドル

マルガコインが李豊の暗号資産業界での荒唐な一幕だったとすれば、OKX創業者Starとの債務トラブルは、彼を道徳的論争の渦中に押し上げた。

2018年6月、StarはWeChatモーメンツで李豊が1500BTC（当時約8000万元相当）を借りた後、返済を拒否し連絡が取れなくなったと公然と非難した（Foresight Newsへの関係者の話によれば、李豊は現在一部資金を返済済み）。Starは借用契約とビデオ証拠を公開し、李豊を「恥知らずのクズ」と罵り、中米両国の裁判所で訴訟を起こし、財産保全を申請したと発表した。

充電網創業者NEO王振飛もコメント欄で「私は彼を3年追いかけてやっと一部の金を取り戻した。この人間は絶対にクズで詐欺師だ」とコメントした。

2018年中頃のBTCは約7000ドルで、この1500BTCは当時約1000万ドル、2025年12月にはBTC価格が約9万ドルとなり、総価値は1.35億ドルに達している。

李豊はグループチャットで、借入は実際にはStarによるMGDプロジェクトへの投資であり、プロジェクトが未上場のためStarが資金を返してほしいと考えたのだと説明した。

双方の主張は食い違っている。

中国の法律ではbitcoinは「特定のバーチャル商品」と定義されており、民事借入トラブルの執行は依然として困難である。Starの債権回収行動も、李豊の「失踪」や法的管轄権の問題で進展しなかった。

参考資料：